chapter 19~ chapter 19 “行き場所” ~ 途方にくれて駅をとぼとぼ歩きながらどうすればいいのか考えた。 もうどっちの親の所へも帰る気はなかったし、姉は県外へ越していた。 家族で頼れる人は1人も居なかった。 でもその時の私には友達がいた。 泣きながら電話をかけると友達は夜中なのに「今すぐ家においで」と言ってくれた。 号泣する私を慰め、話を聞いて泣きながら「ずっとうちで暮らそう」と言ってくれた。 けれど友達もまた高校生だったし、友達の家は親の家だ。 それが叶うはずはないとわかっていた。それでもとても嬉しかった。 今夜は友達の家に泊まれる。けれど今後の事を考えなければいけない。 友達の家から姉に電話をし、経緯を話した。 姉は「お姉ちゃんはどうにもしてあげられないよ」と泣きながら言った。 姉の家は学校へ通える距離ではなかったし、 姓の変わった姉の家にずっと居るわけにもいかない。 姉にはもう、新しい姉の家族と生活があるのだから。 「伯母ちゃんに相談してみたらどうかな・・・」 伯母は父の姉だが年が離れているせいか姉というより母という感じだった。 昔から、私達にとっては伯母だけど、祖母に近い感覚で接していた。 伯母に電話をし、今までの経緯を話して「もう親の所へ帰るのは嫌だ」と言うと 伯母は「とりあえず明日、学校が終わったら家に来なさい。」と言った。 それでも、「真琴はまだ高校生だから、親元に帰らない訳にはいかないと思うよ。 でもそれはもっと真琴の気持ちも考えて今後どうするのか家族全員で きちっと話し合わなきゃいけない事だから話し合いの場を作るからね。」と言った。 話し合いたくなんかなかった。1人で生きられるのならそうしたかった。 でも出来ない。伯母の言う通りにするしか方法はなかった。 ◆chapter 19について(日記) へ ◆chapter 20 へ |